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ネトゲ戦記 第三部「対谷直史さん損害賠償請求事件⑥」

グラニ売却は完全に寝耳に水だった。とりあえず情報を取ろうということでグラニの登記を取る。なぜか相川雄太が3ヶ月ほど前に辞任している。なぜだ?これは全く彼にはわからない。相川のインスタグラムを見つけたが、2017年の10月で止まっていた。

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遅れてグラニからお知らせの書面が届いた。何かのビジネステンプレをそのまま貼り付けたのだろうか?係争相手から「拝啓 ますますご清祥のこととお慶び申し上げます」という手紙を貰うという実績を解除した。

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ここで裁判についてざっくり説明する。なぜ裁判官がドン引きしてまで和解のほうがいいと勧めたかというと、裁判で勝ったと言っても、それは「銀行とかの手続きで差し押さえができる権利」を貰えるだけであって、裁判で勝った瞬間に金が振り込まれるわけではないからだ。だから、基本的に和解が多い。

 

「差し押さえ権」があるので、たとえば相手の勤務先がわかっていれば給与の一部を差し押さえたりできる。なので、逃げられない人に対してはある程度有効だが、無い袖は振れないと開き直る人には無効だし、本件のような億単位の債権というのは回収が本当に難しい。

 

この事件の場合は、GREEからグラニへの支払いというわかっている金の流れがあるので、裁判に勝ったらここを抑える方向かなとか考えていたのだが、それもグラニ売却でご破産だ。※会社そのものではなくゲームの売却だが、グラニはこの時実質倒産したと谷直史さんが主張するので以後グラニ売却とする

 

ただ、想定外のことが起こったからといっても調べて対応すればいい。グラニ売却は、グラニから主力ゲーム事業をGMGという会社に分割して切り離し、その分割した方を売ってグラニは抜け殻になるというやり方だった。彼と彼の弁護士は調査検討し、「会社分割無効請求訴訟」を起こすことにする

 

これは理屈としては「会社を分割する時には、債権者の保護のため、相応の担保を提供せねばならない。それをしない場合は、会社分割の無効を求められる」という制度だ。だから被告はマイネットとこのGMGという会社になる。

 

この裁判で勝てばグラニの売却を無効化できる。ただ、関係するマイネットが上場会社であるため、プレスリリースとかに出さないといけないから、通ったところでグダグダになったグラニは倒産するだけかもしれないとは思った。ただ、やると決めたら、やることを全部やるだけだ

 

こちらの主張としては、「こちらの確定してない債権(判決確定がまだなので)の最大額(こちらの主張するマックス)である9億円を担保として積まないと無効」というものになる。この時点で判決は出ていたので、理屈はわりと通ってたと思う。

 

ここで判決に話を戻す。マイネットへの売却が済まされる前、3月22日に判決が出た。判決は満額ではないが、彼の勝利だった。ただ、無邪気にガッツポーズとかは出なかった。彼は長い裁判の経験で、この裁判が地裁で終わるわけがないことをわかっていたからだ。それでも、死ぬほどのストレスは軽減した

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判決というのは、主文、主張、裁判所の認定、裁判所の判断の順に書かれる。「主文」は結論のことだ。世間でいわれるいわゆる「判決」とはこの主文のことだ。次に、双方の「主張」が書かれる。原告と被告の、それぞれの主張を整理したものだ。証人尋問の前に双方がしたものだと思っていい。

 

「裁判所の認定」とは、裁判所が双方の主張や証拠を調べ、これは実際に事実であろうと推認したものである。双方の主張と証拠からは次のような事実が認められる、という書き出しで始まる。まず、「彼が主張する損害は直接の損害であるとして認める」という結論が先にくる。

 

結論のあとは、それに対する異議反論、ここでは谷直史さんの主張を一つ一つ丁寧に何故その反論は成り立たないか、裁判所が説明してくれる。たとえば、「VDG草稿があったとかいうけど、谷直史さんはそのVDG草稿の200万にすら従わず、自ら1万円で発行したのに、何を抜かしてやがりますの?」とか。

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といっても必ず全部に答えるというわけでもない。これも裁判官ごとに癖があって、それぞれ答え方が違うが、この裁判官の場合は谷直史さんの反論するまでもない主張については、「お前がそう思うんならそうなんだろう、”お前ん中ではな”」との事。

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また、「新株発行の主要目的」についても、彼の排除が主要目的なのは明らかであると認定された。「これは特別決議がされているからといって、株主であった彼を著しく不当に扱ってはならないという義務を怠った、被告谷の任務懈怠が否定されるものではない。」

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逆に、彼側も色々とこれは違法であると主張していたのだが、それも裁判官にぶった切られた。「本件新株発行は、彼のその他の主張を読むまでもなく、違法行為である。不法行為である。任務懈怠である。(損害を賠償せねばならない。)」

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この判決での彼の損害額は、新株発行の後に行われたスクイーズアウトのときに確定した株価を、新株発行のときに日付だけずらして減額したものであると認定され、遅延損害金をいれて約6億5000万円を支払えという判決だった。

 

というわけで、判決をふまえ、グラニとマイネットに訴訟を起こした。彼はやる気満々で、色々な作戦を立てていた。すぐに谷直史さんから、「彼の言い分を飲むから和解してほしい」という申し出がきた。9億円を担保に積んでくれるという。

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グラニの売却を止めることが目的ではなく、担保を積んでもらうことが主目的だったわけだから、彼は承諾し和解を結んだ。というわけで、通常は回収が難しい裁判において、「9億円まで担保を積ませてとりっぱぐれのない状態」が生まれた。彼の判断は、結果論で正しかったと言える。

 

谷直史さんは担保を積んだ。担保を積むということは、裁判を引き続き控訴審で争うということだ。こうしてこの裁判は高裁にいくことになった。

 

余談ではあるが、マイネットには後にgloopsの三国志バトルも売却された。奇しくも彼が作ったredとpurpleが両方マイネットに揃うことになったのである。奇妙な縁もあるものだ。

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グラニはこうして実質倒産した。谷直史さんは後にgumiの子会社として、株式会社グラムスを立ち上げる。gumiとはドラゴンジェネシスの件でバチバチに争ってた気がするが、奇妙な縁だなと思った。まあgloopsでソウルサークルを作ってた彼が言うことではないか。

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入倉孝大は売却されマイネットの子会社となったGMGの役員になってたので、谷直史さんにはついていかなかったようだ。河合宜文さんもついていかなかったとブログに書いていた。相川雄太は前述の通り何故か先に辞任している。福永尚爾も谷直史さんについていかなかったらしい。

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こうして、谷直史さんが言うには彼のために作られたグラニという会社(※証言有り)は彼を裏切った(彼の主観)ことで、彼の手によって倒産(※谷直史さん準備書面より)した。コアメンバーと呼びあったメンバーも四散した。売却金14.7億はどう分配されたのだろうか?グラニの中で何があったのだろうか?

 

 なぜ相川雄太だけ売却に先立って辞任を?何故誰も谷直史さんの新会社についていってない?というあたりでなんとなく雰囲気は予想できるのだが、実際のところは何もわからない。匿名でも教えてくれる人がいたら是非教えてほしい。寿司くらいなら奢ります。よろしくおねがいします。