空白雑記

暇つぶし

ネトゲ戦記 第三部「収益金配分請求訴訟④」

裁判というのは中盤くらいから泥沼の様相を呈してくる。というか裁判そのものが泥沼だ。ずっと相手のミスを誘いながら自分はミスしないよう、一貫性を保持するというゲームなんだから。ここでは被告準備書面④の反論を見てみる。

 

まず彼がディレクターだった、という主張への反論は「ゲーム業界においてはプランナーのことをディレクターと呼ぶことがあり、名刺にディレクターと入れたいとワガママを言うのでしょうがなくそうしてやっただけでディレクターではない」初耳だ。プランナーのことはプランナーと呼べばいいと思う

f:id:kuuhaku2:20200625173244j:plain

知る限りでは、「プランナー」、「企画」「企画マン」「ゲームデザイナー(海外)」という呼び方は知っているが、ディレクターというのは海外でもディレクターのはずだ。いったいどこのゲーム業界の話だろうか。しかし、これも”裁判というゲーム”では真面目に崩さないといけない。裁判官はわからない

 

最初は「谷直史と入倉孝大が殆ど作った」と言い、彼が殆どを作ったと説明すると「ゲーム業界では事前に仕様書を作成しない」となった仕様書も、「ウォーターフォール開発ではなくてアジャイル開発だったので仕様書はあったけど重要ではない」に落ち着いた。

 

f:id:kuuhaku2:20200626075434j:plain

ここがいやらしいところは、ウォーターフォール開発やアジャイル開発という単語は実際に検索すればヒットするし、それっぽい説明も入ってるので、裁判官がうっかり鵜呑みにしかねないというところだ。実際、この裁判では裁判官はゲーム開発をどこまで理解できたのか、彼は疑問だ。

 

何しろ、同じ開発チームにいて、半年間一緒に開発した2人なのに、ゲーム開発についての説明が完全にバラバラで、全く違う事を言うのだ。仕事でこれを聞かされる裁判官としてはたまったものではない。中立な第三者の立場を想像してほしい。どっちを信じていいかわからないだろう。

 

「仕様書の作り方のクセが3人分あり、ほとんどが彼のものだから、その殆どを作ったのは彼だ」という彼の主張に対する反論はこうだ。「彼が作っていたが、それはほとんど使い物にならなかったので、ほとんどを谷直史と入倉孝大が(彼の書き方を踏襲して)手直しした。だから彼が作ったとは言えない。」

f:id:kuuhaku2:20200625174504j:plain

さらに谷直史さんは、繰り返し「彼が半年かけて作り上げたヴァルハラゲートの核ともいえるマスタデータ」は「谷直史さんが決めたゲームのコンセプト(ただし具体的な成果物は出てこない)」に比べるとゴミで、そのうえ好き放題「入倉孝大が95%直した」などとまで言う。逆だ。入倉孝大は5%だ。

 

このときは本当に、文書を読むだけで視界が赤く染まる勢いだった。裁判とは、自分にとって都合のいい”事実”を組み立てるゲームだと理解した。この時の憎悪ともいうべき怒りが冷えたものは、彼の芯に据わった。彼は、相手に都合の良い事まで言うという誠実さをここで捨てた。それが後の裁判で鍵になる

 

結局彼が抜けたあとも最後までグラニで役員になれなかった入倉孝大が、なぜか谷直史さんの次に取締役に就任した彼よりも上位にされていた。もちろんそれも、彼がダダをこねたからしょうがなく取締役にしてやっただけらしい。そこまで無理を押してでも嘘を付くのか。

f:id:kuuhaku2:20200625174556j:plain

彼が一番谷直史さんについて許せないことは、「これほどの嘘をついたこと」かもしれない。裏切ってだまし討ちをしたのも許し難いが、彼の半年のほぼ全てをつぎこんだ仕事を、自分が勝つために、嘘で踏みにじったことは許せるわけがない。

 

先にネタバレをすると、この地裁では彼は負ける。ここまでの無茶苦茶な嘘をもってして、彼は負けるのだ。だが高裁で文書提出命令が通ってからは、展開が変わる。

 

ここでついに、谷直史さんが作った「コンセプト」がなんだったのか主張される。それは「神獄のヴァルハラゲート」という名前だ。彼は、名前について興味がないし、谷直史さんが「俺が決めていいかな」とウッキウキなので、いいですよと了承した。彼は書かなくていいのに、その事を経緯の説明で書いた。

 

「神獄のヴァルハラゲート」という名前があれば、このゲームをイメージして作れるらしい。なるほど、それが谷直史さんが作ったコンセプトか。確かにヴァルハラゲートで谷直史さんが作ったのは名前くらいだな。チャットワークのログさえあれば、タイトルが決まったのは開発の終盤だと反論できるのに

f:id:kuuhaku2:20200625174706j:plain

彼が出した証拠のメール群に、相川雄太が「自分のやる気のために、金は出せないが株が欲しい」と谷さんにおねだりして、彼にも根回ししにきたメールで彼を「キーサクセスファクター」と呼んでいたのも「ダダをこねるから」で説明されていた。駄々をこねたら取締役でディレクターでキーマンになれるらしい

f:id:kuuhaku2:20200625174733j:plain

そういえば何故谷直史さんは相川雄太をあそこまで評価し、福永尚爾(初代CTO)や河合宜文さん(二代目CTO)にさえ株は渡さなかったのに、わざわざ彼をサシで呼び出して頼み込んでまで相川雄太にタダで株をわけてやったのだろうか?しかも実質No2だった彼を追い出したあと、相川雄太が副社長になる。開発で相川雄太は何もしていない。

 

相川は彼の評価では、絵に描いたような意識高い系で、いつも日経を読んでて仕事してるところを見たことがない。まあ、谷さんが何かを見出したということなんだろう。そういえば登記によるとグラニ売却の少し前に相川だけ先にグラニを辞めてたが、あれもなんだったのだろう。不明だ。

 

そして原告準備書面4である。彼は視界が赤く染まるくらい怒っていたが、書面は弁護士に任せていたのでおだやかなものだ。半年間血反吐を吐く思いでした仕事を、ダダをこねたから得た嘘の肩書だと言われたことも、「違う、そうじゃない」と返してるだけだ。

f:id:kuuhaku2:20200625174924j:plain

なお、読み返していて気づいたが、ここで彼の弁護士は、しなくてもいい主張をしている。谷直史さんが「別の裁判で250万の費用を出せたから、彼は金に困ってない」などと飛ばした野次のような主張に対し、「お前どの口でそれ言ってんだ、いくらなんでもお前がそれ言うのはナシだろ」とキレている

f:id:kuuhaku2:20200625174955j:plain

覚えていなかったので、このときはこれに気づけなったと思うが、今読み返すとわかる。これは彼の弁護士のキレポイントだったのだろう。こんな主張は裁判に何も関係ない。裁判の費用を彼が借金をしてまで集めようが、裁判の結果には何も影響しない。だからこれは彼の弁護士の、珍しく見せた感情だ

 

また、前準備書面でYammerのログを出せることは開示したので、ここでは本格的にYammerのログを出した。これまでの谷直史さんの嘘が全部否定できるログである。ある意味、谷直史さんは裁判ゲームの能力がないか、彼を舐め過ぎだ。出さなくていい主張までしてボロを出している、と彼は思う。

f:id:kuuhaku2:20200625175043j:plain

f:id:kuuhaku2:20200625175051j:plain

ただ、こうやって嘘を暴きつつも、本命は「文書提出命令」だ。書面で縷々主張しているが、本命は「チャットワークのログこそが、真実を明らかにする唯一の証拠である」という主張だったのだ。これは、谷直史さんが「消失した」と言っていたのに「有った」と都合よく一部だけだしてきたログだ。

 

 もし谷直史さんが、「無い」と宣言したログを、自分に都合のいい一部だけ切り抜いて証拠として提出してくれなかったら、Yammerまでの過去のログだけで戦わねばならなかっただろう。ただまあ、出してくれたので、その一点突破に賭けたというわけだ。