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ネトゲ戦記 第一部「LAPISとACの話」

Scarlet colored Vampires(ScV)のリーダーLAPISは、彼が今まで直接やりあったなかで、最も手強かったネットゲーマーだ。一応勝ち逃げはしたので彼が上だとは思うが、それ以上続けると最終的に人数差で負けると悟ったから勝ち逃げをしただけで、まあそれでも上だが。

 

LAPISのことを意識したのは、誰だったか忘れたが、他のプレイヤーのUO日記(当時はまだブログという名前はなかった)でLAPISについての説明を見た時だった。その日記でLAPISはチーター扱いされていて、直接話して聞いてみたらその誤解がとけるという話だった。

 

なぜLAPISがチーター扱いされていたかというと、彼らは「aghfakjgfaif」「ajgfagffagjf」という風に意味のない文字列を連打しながら戦っていたからだ。この謎の呪文が、UOのシステムを狂わせるバグコードで、それを唱えているScVはチーターギルドだ、なんていう噂があったのだ。馬鹿らしい

 

それについてLAPISにたずねたところ、これは相手のヒールを妨害するために文字を相手の上にランダムに重ねるために唱えているだけだという説明だったという。UOAが公式認可する以前は、直接魔法のターゲットをクリックする必要があり、文字もクリック対象なので、相手の南側に立てば発言を被せられた

 

これはまさに、彼がAsuka鯖で、15人で40人の敵を打ち破ったときに使った戦法だった。ただ、彼は@@@111@@@や@@@222@@@という風に文字列は「クリックしやすい大きさと意味のある数字」に設定して、さらに作戦に使っていたが。

 

いきなり戦闘中に@@@111@@@とか何か意味ありそうな発言をして、足並みを揃えて襲いかかってくるのだから、それが指示であることは当然敵に見抜かれ、対策がされると彼は覚悟して、本当に不利な戦いで初めてその作戦を使った。15人で40人を打ち破ったのはAsuka鯖で大騒ぎになった。

 

結果は、誰もその作戦を理解しなかった。こちらは一方的に符丁を使って勝率8割をキープし、勝てない他のギルドはどんどん衰弱していった。心底がっかりしていたが、LAPISは彼の作戦を一部でも理解していた。LAPISは彼よりも作戦では弱く、カリスマでは上だったように思う。

 

だからLAPISのいたYamatoでは、敵が弱ることなくYamato大戦が行われた。Asukaは、彼が傭兵として参加したLoH最強でつまらなくなってしまい、大戦は起こらなかった。彼はLAPISが羨ましかったのだと思う。UOに飽きた後もBBSでレスバを続けていた。

 

あるとき、じゃあ新作の別のMMORPGで勝負をつけようという話になった。今考えても頭がおかしい。選ばれたのはAsheron's Call(AC)というゲームだった。

 

このゲームも頭がおかしくて、PvP鯖という無法地帯のサーバが一つだけ用意されていた。そこでは世界中のどこにも安全圏がないという修羅の国だった。キャラクターを作成しログインすると、はじまりの町に待ち伏せしていたPK(LV30)から魔法の矢を打たれて即死した。レベル1の死体が100は転がっていた

 

まるでウミガメの赤ちゃんのように、必死ではじまりの町の外に走り抜け、本来はチュートリアルをするはずのはじまりの町ではなく、隣の町で身支度を整えた。彼らは最強のネットゲーマーだったので、そんな修羅の国でも強くなった。

 

しかし、ACにはもう一つ頭のおかしいクランシステムがあった。人数無制限のクランを作ることができ、部下は上司に経験値を何%か上納するというシステムだった。全プレイヤーの6割が「Blood」という一つのクランにあつまり、Bloodの幹部陣はレベルが250~300になった。まともにプレイしてる彼は70だ

 

ACは、ダッシュキャンセルもできて魔法をかわしながら撃ちあうスーパーアクションMMORPGだったが、レベルが30違うと奇跡がないと勝てないし、レベルが50違うとレジストされるので奇跡があっても勝てない。

 

というわけで全部で12個くらいある町のうち唯一Blood以外も使える一つの町(それ以外の町にいくとレベル200の警備隊が飛んできてやられる)で細々と遊んでいたが、いい加減これはだめだなと流石に思ったので、LAPISとのPvPに狙いをつけた

 

詳しい説明をしても誰もわからないだろうから省くが、ACというゲームには拡散WMという、「誰も使ってないコスパが悪すぎる魔法」があった。彼はLAPISのキャラ構成から、密着してやられる前にやる戦法でくると踏んだのでその魔法をわざわざセットしておいた。

 

どこかのダンジョンの横でLAPISとその仲間2人の3人に見つかった(相手は3人でACを続けていたが彼は1人になってた)ので、そのダンジョンの中に飛び込み、追いかけてきた相手をダンジョン内の壁はじに誘って彼は拡散WMをぶっ放した。射程が絶望的に低く詠唱もクソ長いので普通は当たらない超威力魔法だ

 

狙いはドンピシャに決まり、誰も使ってない魔法の呪文を見抜けなかったLAPIS達3人とも、HP30くらいでぎりぎり生き残った彼の前に倒れていた。彼は大喜びであらゆる角度から勝利の決めポーズ写真を撮影し、それを日記に貼り付けまくって引退を宣言した。本当に気持ちよかった